茶の間オタクが8年かけてセクラバになるまでの話 〜2013年(初参戦&オタ活休止)編〜

茶の間オタクが8年かけてセクラバになるまでの話


2013年(初参戦&オタ活休止)編〜


2013年。

年明けに2012サマリーのDVDが発売された。Amazonで購入し、自室で開封すると、中島健人くんのフォトカードが入っていた。一枚しか入っていなくてガチャなんだろうなと思ったけどまさか一番推してるメンバーがくるなんてと運命を感じた。


y&j畑で育った私はサマリーと聞くと何故か殴り合い斬り合いのシーンを思い浮かべてしまう(語弊)10代のギラついた少年たちが刹那的な輝きを放つ舞台をイメージしていた。


鑑賞後の私……

「え?????全然違うやん??????薔薇まみれの楽園?????天使しかおらんかったけど?????薔薇ベッドに薔薇ブランコに薔薇籠考えたスタッフ誰????え???マリマリが考えたの??????」


簡単にまとめるとこんな感じであった。(偏差値2

ファーストコンのときから薄々感じてたけど、この人たちは本当にビジュアルがいいのだと、御伽噺の世界観が馴染んでしまうのだと思った。


一度でいい。彼らに会ってみたいと思った。ファンクラブに入るとお金がかかるし、実家に住んでいないとは言え、大学の友達にオタバレするのも怖かった私はFCに入らずに公式的にコンサートに行ける方法を探した。

検索に引っ掛かるのは非公式のチケット売買サイトが多く、流石にこれはと頭を悩ませていたところ「Jチケ」という制度があるのをTwitterで知った。(今はありません)Twitterはもはやジャニオタにとってはなくてはならない情報源になっていた。

「まあ当たるわけないだろうけど、一応申し込むか」

そんなノリで登録&申し込みを済ませた。


そして二十歳の春がきた。

学業が忙しくなり、サークルも自分たちの代になってTwitterを覗く時間も減った。そんな中で「real sexy」というこれまたツッコミどころ満載のシングルが発表された。カップリングはBAD BOYS。健人くんが初主演するドラマの主題歌だった。しかし流石のゆるオタの私でも引っかかってしまう点があった。歌っているのは中島・菊池・佐藤の3人。と言うのだ。

「え?なぜ?年齢制限でレコーディングの時間合わんかったんか?(アホ思考)」

と混乱したが、本人たちが何かの歌番組で「カップリングは上3人で大人っぽく」なんて笑っていたので、まあ今回だけかな?と思うことにした。


そんなある日、サークルのメーリング(懐)でいっぱいの受信ボックスに一通の見慣れないアドレスが表示されていた。細かいことは覚えていないが、「SexyZoneジャパンツアー第一希望横浜アリーナ公演当選です」といった内容のメールであったと思う。

まず初めに感じたのは喜びでも驚きでもなく、緊張だった。「チケットが届いた時バレたらどうしよう」「コンサートに行ったのがバレたらどうしよう」しかし気がつけばじゃらんで川崎のビジネスホテルを予約していたし、ローソンで高速バスのチケットを買っていた。心は動揺していたけれど、頭は意外と冷静に動いていたのだ。


そんな訳で私は初めてコンサートというものに行くことになった。FCにも入らず、友達にも家族にも言わず、たったひとりで。


高速バスに乗ると何故かHey!Say!JUMPのうちわを持った女の子が3つくらい前の席に座っていた。オタバレが怖い私はグッズもうちわももっていないし、買うつもりもなかった。バスに乗ってからも「行っても大丈夫だろうか」と不安に襲われて「じゃあ行かなきゃいいじゃん」ともう一人の自分が問うてくるけれど、その問いには答えるまでもなかった。おろしたてのワンピースを着て、2ヶ月前に買ったばかりのトートバッグを持って私は横浜を目指した。


昼過ぎに川崎のホテルにチェックインし、大荷物を置いて新横浜に向かった。電車を降りるとよくTwitterで見かける量産型のオタクの皆さんがホームに溢れかえっていて、心拍数が上がった。これがジャニオタなのか!!!と感動した。

横アリに着くと、所謂グッズ列なるものができていた。「私は買わない」と決めていたので迷うことなく入場ゲートへと向かった。握り締めすぎてしわくちゃ寸前のチケットを無事もぎ取って頂き、席に着いた。あまり席には期待していなかったが、スタンドの1番前だったので驚いた。続々と入場してくるセクガルの皆さん。殆どの人が友達と来ていて、年齢層は高校生〜大学生くらいが多かった。


照明が消え、コンサートが始まった。

地面が揺れるような黄色い歓声と爆音に心臓が跳ねた。それと同時に周囲の観客は各々の手荷物からペンライトやうちわを取り出した。大袈裟でもなんでもなく、何も持っていないのは見渡す限り私だけだった。そのとき初めて後悔した。

「この瞬間だけでも私は彼らのれっきとしたファンなのだから、気持ちを伝える何かを用意しておけばよかった」と。

それでも始まってしまったものは仕方がなく、迷惑にならない程度に拳を突き上げ、声援を送った。


もう8年以上前のことなので細かいことは覚えていないけれど、印象に残った点だけ記録しておく。

・勝利くんの顔がマジで小さい

私のいたスタンド席近くに来てくれたのは勝利くんだった。

後ろ姿しか見えなかったけれど、本当に同じ人間とは思えないほど顔(というか頭?)が小さかった。

・風磨くんが白い

肉眼でも白さでわかるほど真っ白だった。金髪だったからよりそう感じたのかもしれない。

LOVE KENTYコールの一体感がやばい。

下手したら登場時の歓声を上回っているレベル。Jr.担(結成前のキンプリトラジャのファン)も多かったはずなのに、みんなこのコールに慣れていた。正直、参戦前はこの曲に対して若干引き気味だったけど、観客のコールでこの曲に落ちた。

菊池風磨のツキノミチ

Twitterで軽く予習していたセトリの中にない曲だった。しかも元担Gの未音源化曲。大好きな曲。コンサート後、前日までと変えていきなりぶち込んできたとのことだった。大好きだった人の大好きな曲を後輩タレントに歌われるって結構複雑なはずなんだけど、風磨くんが歌うツキノミチは凄くナチュラルで、不思議とストンと胸に落ちた。し、なんならちょっと泣きそうになった。だってあの声とそっくりなんですもん。


横アリのスタンド席だったので肉眼で彼らを見つけることはなかなかできなかったが、「本当にいるんだ」と感じた初参戦であった。

友達には「横浜観光してくる!ひとりで!」と言っていた。女子大生が1人観光???と怪しまれそうなところだが、私はもともと単独行動に抵抗がなく仲良くしてくれる子はみんなそれを理解してくれていたので「アンタやるね〜!」くらいにしか捉えていなかったと思う。そんなわけで友達に気持ち程度のお土産を購入し、私のゴールデンウィークは終わった。


夏になり、オタ活Twitterに激震が走った。「JMK中島健人ラブホリ王子様」なるものが始まるという情報が流れたのだ。初めは、オタクの妄想では?というデマ説があったのだが、鈴木おさむ氏の名前が出てからはみんな「ガチじゃん」と静かにその時を待った。

茶の間オタクの私も茶の間らしくテレビの前でしっかりと視聴した。

中島健人さんは女の子といちゃついたらどうしようと不安に思っていた私の予想の遥か上を行っていた。登場人物(セリフがある人)は健人くんひとり。そして時折登場する手や指はスタッフのおじさんだというのだ。ドラマでもなく完全なバラエティ番組でもない。ただただ中島健人とのデート体験をするVRだった。

しかし私はこの番組を最後まで見ることができなかった。理由は寒いからとか引いたからとかではない。「いやいやこんなイケメンでこんな愛に溢れた神様おらんやろ」という諦めに似た感情で溢れ、断念に至ってしまったのだ。しかしかながらビジュアルはどこを切り取っても完璧。ファッションセンスもいい感じに庶民的で好感が持てた。「オレ-オマエ=過去、オレ+オマエ=現在、オレ×オマエ=未来」という名言も生まれた(迷言とは言わせない)デレデレ長谷部宗介の学生時代的なものの詰め合わせになっているので興味がある人はぜひDVD/Blu-rayの購入を検討してほしい。私的にはメロンを持っている健人くんがめちゃめちゃキュートでお気に入りである。



大学3年の夏。プライベートが充実していた。

簡単に言うと、人生最大(最初で最後)のモテ期に突入していた私はオタ活からだんだん遠ざかっていたのだ。

そんなとき、5thシングル「バィバィDuバィ〜See you again〜」が発表された。セクサマの時と同様、もう「変な曲だな」なんてことは微塵も思わなくなっていた。健人くんめちゃめちゃターバン似合う!!とは思っていたけども。


しかしこの曲に関しては発表されたところまでしか記憶にない。QRの音源を繰り返し中古車の中で聴いてクラップした記憶はあるが、購入はしていないのだ。


何故か。それはオタクを辞めたからだ。


私は「バィバィDuバィ〜See you again〜」のリリースとともにSexyZoneとバィバィしたのである。(2点)




これ以降、201573日まで私はSexyZoneから距離を置いて過ごすことになる。